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除草して守っている鳥取砂丘緑化問題

鳥取砂丘のイラスト

鳥取砂丘の緑化はなぜ良くない?

日本でも有数の観光地の一つである鳥取砂丘。
一度は訪れたことがあるという方も少なくないでしょう。
何万年もかけて少しずつ積み上げてできた鳥取砂丘は、偶然の造形美とも言われており見る人を魅了します。

ユニークな地形や様々な見所も多く、季節や時間帯が異なるだけで全く違う景色を私たちに見せてくれます。
しかし実は、鳥取砂丘の景観を守るために様々なトラブルが起きているということはあまり知られていません。

1970年頃から、鳥取砂丘には本来生えていなかった外来の植物が目立つようになり緑化が進んでいるのです。
外来植物が目立つようになると砂の移動が減少するため、様々な模様が見られにくくなり本来の美しい砂丘の景観が損なわれてしまうのです。
平成3年頃には、何と鳥取砂丘の50%近くが雑草などで緑にカバーされるという事態になりました。
特に、外来植物のオオフタバムグラが爆発的に生息していることが問題となっています。

砂漠とは異なり砂丘では雨が多く栄養素もあるため、これらの植物に対し何もせずに放置しておくと、勝手に草木が生えてきてしまうのが現状です。
最終的に、温暖な気候と十分な水分で、草木が育ちやすい環境が作られてしまいます。

鳥取砂丘は砂漠とは異なり、海岸線上に位置しています。
日本海の風を受けて、非常に長い年月をかけて出来上がったまさに自然の大傑作がこの鳥取砂丘となっています。
何も手を加えなければ、この砂丘上に風や鳥の力によって植物の種が運ばれてしまい、草木が生えてくるというわけです。

鳥取砂丘緑化への対策とは?

では、そんな緑化に対しどのような対策が行われているのでしょうか?
鳥取砂丘再生会議では、定期的に鳥取砂丘ボランティアが除草を実施しています。

観光客による除草体験、つまり草むしりが行われているのです。
美しい鳥取砂丘を取り戻しキープするためには、本格的な除草作業を定期的に行う必要があります。
通年で除去作業を行うため、ボランティアを通してより持続的なものとしていく活動が必要とされています。

地元の小学生も草むしりに協力するなど、地域全体で鳥取砂丘を守ろうという働きが広まっています。
また、草原化を防ぐため除草剤をまくことも毎週行われています。
鳥取県内でも有数の観光地の一つである鳥取砂丘は、鳥取のシンボルです。
鳥取の観光地を守っていくためにはこの緑化を防ぐことが必ず必要なのです。

ある国では砂漠の緑化に一生懸命取り組んでいるのに対し、日本の鳥取では草むしりに励んでいるというのは何ともユニークな事態です。
日本唯一の砂漠が、緑豊かなエリアに変わってしまわないために、砂漠を守るために除草するという真逆の行為も必要とされているのです。