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世界適応ネットワークとは

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気象の変化への対応を世界規模で進める目的

略称をGANと言い、英語表記のGlobal Adaptation Network の頭文字を取って付けられたものです。
近年の急速な気候変動への適応策を世界全体で推し進める為に、国連の計画のリーダーシップの下で誕生したネットワークを指します。

気候変動への適応策に関連する知見を世界で共有する事により、脆弱な共同体や脅かされる生態系、経済を気候変動と共存できるように変えていくためのサポート等を目的に活動しています。
活動の単位、エリアとして、アジア太平洋エリア、中南米・カリブ海エリア、アフリカエリアなどの各エリアにネットワークが存在し活動しています。

「緩和」と「適応」を車の両輪として推し進めるGAN

近年急速に進む地球温暖化の被害を軽減する為には、「緩和」と「適応」の2つの対策を柱として推し進めることが必要と考えられています。
「緩和」というのは、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を始めとする温室効果ガスの排出量を、技術改革によって省エネルギー化された商品に入れ替えたり再生可能エネルギーの導入等の取り組みでダイレクトに削減していく事です。

一方の「適応」というのは、緩和の努力をしても、なお発生せざるを得ない様々な環境への影響を、自然または人間社会の形をアレンジする事で、少しでも軽減しようとする対策を指します。
この技術改善で対応しきれない、「適応」は世界規模で推し進める事が肝要で、この目的をもって、平成21年のCOP15における国連環境計画のリーダーシップの下でGANは発足しました。

2015年にパナマシティで開催された「第1回GANフォーラム」には、30カ国もの政策決定者や実務家、研究者などおよそ100人が参加しており、GANが気候変動へ適応するフィールドで経験と知見を共有する最適な組織・システムであると認識されていることが分かります。

気候変動への適応には日本も重要な働き

このフォーラムは日本のプロポーザル(申し出)により実施されたもので、国連における気候変動枠組条約の適応委員会との協調・タイアップを強めるために、GANの第2回適応フォーラムと時を同じくして開かれました。
GANと他の運営主体や気候変動に対応するネットワークのタイアップ等に関しても話し合われましたが、GANには、北アメリカエリアとヨーロッパエリアを対象とするエリアネットワークが存在しない為、2つのエリアでの気候変動への適応の取り組みとのタイアップの必要性が議題とされました。

さらに、COP20(第20回気候変動会議・2014年ペルーで開催)で国連環境計画が発表した「グローバル適応ギャップレポート」を基にして適応の食い違いをどう克服するかについて議論がされています。
なお、COP20においては、国連気候変動枠組条約とGANとが共同で実施する目的達成計画として「リマ適応知見イニシアティブ」が認められました。