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森林火災が多発するオーストラリア

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オーストラリアの火災の原因

森林地帯で起こる大規模な火災は「森林火災」と呼ばれており、近年増加する傾向になっています。
2019年に起きたオーストラリアとアマゾンの森林火災や、2020年に起きたアメリカ カリフォルニア州の森林火災などは、記憶に新しいところです。
森林火災が何日にもわたると、二酸化炭素が大量に放出されて大気汚染を誘発し、ひいては地球温暖化にも拍車をかけてしまいます。

特に、オーストラリアで2019年に起きた森林火災は被害が大きく、社会問題として全世界で大々的に報道されました。
2020年2月に大雨が降るまで森林火災は鎮火されず、最悪の森林火災の一つとして歴史に残されました。
火災によって多数のカンガルーやコアラが死んだだけではなく、3000棟以上もの建造物が被災し、ニューサウスウェールズ州では死者が28人も確認されました。

オーストラリアで森林火災が多発する原因

オーストラリアで森林火災が多発する最大の原因は、降水量が少ないということです。
世界六大陸の中でも最も乾燥した地域で、特に2018年の後半から2019年5月にかけては雨がほとんど降らない日が続き、大規模な森林火災へと発展しました。
インド洋で発生する「ダイポールモード現象」という気候変動もオーストラリアの降雨量減少に大きく関与しており、貯水池やダムの水量が著しく減少して、消火活動を難しいものにしています。

もうひとつ、地球温暖化によって気温が極度に上昇したことも森林火災の原因となりました。
さらに見逃せない要素は、オーストラリアには油分を多く含む樹木が群生しているという事実です。
精油の原料ともなるユーカリやティーツリーは油分が多い分、非常に燃えやすく、一旦着火してしまうと他の樹木に燃え移りやすいという特徴があります。

空気が乾燥して高温の状態では枯葉同士が擦れただけで火種が生まれてしまうことがあり、山火事の原因として恐れられています。
ユーカリの場合、葉に含まれているテルペンと呼ばれる油の成分が空気中に放出されます。
テルペンが空気中に充満した状態で火種が生まれると、火事が非常に起こりやすい状況になるわけです。

森林火災の消火と対策

オーストラリアは面積が広く、森林火災が起きると消防車などで消火できる規模ではないので、専用の陸上消防機や消防飛行艇によって消火を行います。
森林火災の原因は、自然発火以外に人為的な原因で起こることもあります。
木々が密集している場所での焚き火やバーベキューは避ける、タバコは必ず指定された場所のみで吸い、タバコの吸殻は完全に消えていることを確認してから灰皿に捨てるといったマナーを守ることによっても、森林火災を防ぐことができます。