1. >
  2. >
  3. 「国連生物多様性の10年」とは

「国連生物多様性の10年」とは

NOIMAGE画像

10年単位でとらえる生物多様性維持のプラン

国連の決議の1つで、平成23~32年を「生物多様性の10年」と意識したうえで、各国・各地域が一致団結し協調して生態系の維持保全の努力をする事を強く推し進めていこうという決議です。
平成12~13年にオランダで開かれたCOP6で採択された「平成22年のターゲット」が未達成で、生物多様性喪失のスピードを落とせなかった事実に対する反省を受け、新たに採択されました。

平成22年(2010年)に開かれた第65回の国連総会において、日本のNGO等の働きかけも功を奏し、愛知目標を達成すべく、平成23~32 年に至る10年間を「生物多様性の10年」に位置付け、さらなる努力を推し進める事が決定されました。

基本は達成できなかったオランダ・ハーグでのCOP6

平成14年のCOP6で採択された「多様性が失われるスピードを平成22年までに明確に失速させる」という「2010年ターゲット」に向けた戦略プランが採択され、このターゲットを達成すべく努力が世界各国・各地域で積み重ねられました。
しかし、多様性条約の実務を担う事務局が取りまとめた「多様性概況(略称:GBO3)」において2010年ターゲットは依然として未達成のままで、生物多様性はなおリスクにさらされ続けていると評価されてしまったのです。

国際社会がすべからく危機感を共有しており、2010年目標の期限とされた2010年のCOP10において、目標のブランクを発生させずに、平成23年から継続的にすぐに新たに世界ターゲットとして「多様性戦略プラン2011-2020・愛知目標」への移行が決議されました。
この新たなプランは、2050年までの長期スパンのビジョンとして「自然と共生する世界」を実現させることを目指しています。

2020年までと期間を区切ったのは、長期ビジョンの内の短期的ミッションとして「多様性が失われる事態をストップさせるために有効で喫緊の行動の実施」をターゲットとしているからです。
短期ミッション達成の為、具体的な5つの戦略目標と、その区分の下に20に及ぶ個別の目標が設定されています。

「愛知目標」と言ったとき、フォーマルな意味は、20の個別目標のことを言いますが、一般的には5つの戦略的目標と一体として使われることも多いです。
愛知目標と呼ばれる由縁は、平成22年に名古屋市で開かれた多様性条約会議(いわゆるCOP10)で、平成23年以後のミッションが定められたためです。

達成に向けて力の入る生物多様性の10年

この「多様性の10年」は、国連の加盟国、条約参加国にとどまらず、世界各国・地域の全ての主体が協調・タイアップして、多様性を維持保全にあたるともに、その持続出来る活用を考え実施することが目標です。
実効性を高めるために、平成22年の「国際生物多様性年」に国内での委員会を立ち上げた条約参加国に対して、多様性の10年に力強く取り組むよう要求しています。
我が国においても平成23年9月に委員会が立ち上げられ、多様性の10年の達成を目指して邁進しています。
また、その後のCOP11では先進国から途上国への資金面でのサポートを倍増するなど、世界規模で達成に向けた努力をすることが共通認識となっているのです。